治療方針

治療に携わる者として、なにをもって「改善」とするかをいつも考えています

初診でお越しの患者さん、ピラティスクラスに体験に来てくださった生徒さん方から「昔からの体質なんですよね」というあきらめに似たお言葉を聴くことが多々あります

みなさんが「体質」の名のもとで、あきらめていらっしゃるのは

身体の柔軟性
肩こり、腰痛

冷え症
風邪やインフルエンザのかかりやすさ
ケガの治りやすさ
生理痛、PMS

妊娠のしにくさ
更年期障害

が多いです

もちろん生まれ持った体質というものはあります

しかし、人間の身体はそもそも成分的には、たんぱく質や脂肪、カルシウム、リンなど、構成要素はほぼ同じなので、健康な方の身体の状態に近づけようとすれば、そうなるはずだと考えています

柔軟性は部位によっては関節の可動域が問題である場合が多いので、「体質」と呼べることがあります
とくにご相談の多い股関節は、骨盤の形と大腿骨の接合する部分の深さや角度が、柔軟性に影響しているので改善しないことがあります。この場合、無理をさせないほうが良いと考えています
そうでない場合は、太ももの裏や恥骨、坐骨周囲の筋肉をゆるめ、血流をよくすると、上質なたんぱく質の状態になる=柔軟性があがることが多いです

肩こりや腰痛は、体質よりも普段の生活の筋肉の使い方が原因と考えます
また、肩こりに関しては精神的な影響も多いと思っています
いずれの場合も、普段の生活でどのような筋肉の使い方をしているのか、どういった精神状態のときに力が入りやすいのかを俯瞰し、見直し、適切なトレーニングをすることで改善することが多いです

病気に対する免疫機能、ケガの修復機能の個人差を「体質」と呼ぶのならば、生まれ持ったものが強く影響しますが、免疫・修復機能がもっとも働きやすい体温に身体を整えていくと、機能が向上するといわれています
※病気によっては、一概ではありません

大きく違いが出るとすれば、神経伝達物質やホルモン(内分泌)、抗体といった、身体の中をめぐるメッセンジャー的な役割であったり、身体を守ろうとするボディガードのようなものでしょうか

生理痛、PMS、妊娠のしにくさや更年期障害など、女性の方特有のお悩みは、ホルモンが大きく影響します
症状によっては西洋医学的な検査や投薬が必要な方もいらっしゃいます。これは生まれもった体質と呼べると思います

それ以外の場合、生活習慣や筋肉、血流の状態で改善される場合も多く見られるので、そのあたりは東洋医学の出番です。病院で治らないなぁと感じる症状については、ぜひご相談いただければと思います

「体質だからしょうがない」というあきらめの状態から、「体質は変わるのかもしれない」と希望をもつこと、自分を俯瞰し、そして知識をもって実行することで、「ほんとうの体質改善」は実現します

当院では、患者さんのお身体を西洋医学と東洋医学の知識の両方をつかって、診断し、治療方針をたてます

西洋医学は内臓や筋肉の部分的な状態を、東洋医学は身体の状態を全体的に診ることが得意です

また精神的なお悩みが影響している場合は、東洋医学も得意とするところですが、カウンセリングや治療中のお話のなかで、患者さんと一緒に探っていくと原因が見つかることが多いので、そちらを大切にしています

患者さんご自身が「体質改善」に希望をもつようになることが、「ほんとうの体質改善」のはじまりだと思っています

「あ、治療でよくなったのに、こういう生活をしてたら、また痛みが再発しそうや〜」

「あ、このタイミングでセルフケアしたら、いまのしんどさは明日に持ち越さないのかも〜」

そういった「気付き」をいっしょに積み上げて、「ほんとうの体質改善」を実現しましょう

ただ治療するだけでなく、客観的に自分を観察するポイントや、改善のための知識を当院は用意しております

※男性は既存の患者さんからのご紹介のみ受付しておりますのでご了承ください

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